アレルゲン表示の今後について(推奨表示品目にマカダミアナッツの追加などを検討)

By | 2023年8月7日


 消費者庁は2023年6月14日に第5回食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議を開催しました。その会議資料において、今年3月におけるくるみの義務表示化に続いて、今後「特定原材料に準ずるもの」へ「マカダミアナッツの追加」および「まつたけの削除」の方針を公表しています。

推奨表示品目増減の背景


 2022年6月に公表された「即時型食物アレルギーによる健康被害に関する全国実態調査」(令和3年度(2021年度))と前回調査(平成30年度(2018年度))との比較により、マカダミアナッツが「特定原材料に準ずるもの」の候補とする要件の「直近2回の全国実態調査の結果において、即時型症例数で上位 20 品目に入っているもの」を満たしていることが確認されました。

 また、2019年に推奨表示品目に追加されたアーモンドの症例数比率と同程度の増加が確認され、消費者庁では現在、マカダミアナッツを推奨表示品目に追加することを見据え、8月末までマカダミアナッツを使用した加工食品に関する実態調査を行っています。

アレルゲン表示「義務、推奨」の比較

 3月におけるくるみの移行と異なり、マカダミアナッツは推奨表示品目として追加の検討です。アレルギー表示の義務、推奨の違いは、以下の通りまとめられています。

【「アレルゲンを含む食品に関する表示のうち、特定原材料に準ずるものの対象の考え方について」より一部抜粋】

(1)特定原材料
 食物アレルギー症状を引き起こすことが明らかになった食品のうち、特に発症数、重篤度から勘案して表示する必要性の高い食品については、「食品表示法」に基づく「食品表示基準」において「特定原材料」として規定され、(中略)当該特定原材料を含む旨を表示しなければならないこととされており、(略)
 罰則の適用を伴う表示義務を課す場合には、その表示の適正性を確保するため、当局として監視可能性を確保できていることが必要となることから、特定原材料の指定に当たっては、公定検査法が確立されていることを前提としている。(略)

(2)特定原材料に準ずるもの
 (前略)症例数、重篤な症状を呈する者の数が継続して相当数みられるが、特定原材料に比べると症例数等が少ないものについては、「食品表示基準について」により「特定原材料に準ずるもの」と規定し、(中略)含む旨を可能な限り表示するよう食品関連事業者等に推奨している。
 食品関連事業者等の任意の取組を推奨する品目をできるだけ機動的に対象とする一方で、存置する必要性のない品目は削除するという追加・削除の考え方を整理し、食品関連事業者等及び消費者双方にとって予見性の高い仕組みにしていく必要がある。

コーデックスの基準改正動向


 また、第5回アドバイザー会議ではコーデックスにおけるアレルゲン表示の検討状況として、食品表示部会における改正方針の「ナッツの個別表示化」、「予防的(可能性)アレルゲン表示の閾値設定」などが議論されました。

 現段階においては修正案ではありますが、輸出を検討されている方は参考にご一読頂ければと思います。


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