概要
2023年9月4日、フランスは肉の代替品に対する誤解を避けるため、国内で製造されるプラントベースの食品に対して、「ステーキ」や「スペアリブ」といった肉の名前の使用を禁止する修正案を再度発表しました。食肉に関する用語の禁止は、21用語に適用されます。しかし、定義された植物性タンパク質の最大含有量を超えない限り、120以上の動物由来の食品に関する名称の使用は許可されます。つまり、植物性食品だけで構成した「ナゲット」や「ベーコン」等のビーガン商品は新たな名称を名乗らなければならなくなります。
(Annex I) 植物性タンパク質を含む食品の名前に使用が禁止されている21用語: | |
---|---|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
この新しい修正案は発表から3か月後に施行され、事業者はこの期間に表示への対応を行います。
その他関連情報:Timeline
2020年6月:
フランスはEU全体での規制に先駆け、2020年6月に施行された「農産品および食品に関する情報の透明性に関する法律」の第5条で、植物性タンパク質を含む食品の記述や販売、宣伝のために、動物由来の食品を示す名称を使用してはならない」と規定、「動物由来の製品名を使用する場合の植物性タンパク質の許容含有量については政令で定める」とした。
2020年10月:
「Amendment165」(植物由来食品に対する表示規制)法案は否決され、「ベジバーガー」や「ビーガンソーセージ」の名称使用を容認。
2022年6月:
その後、植物由来の食品を表すために「ステーキ」や「ソーセージ」などの用語の使用を禁止する法案を公表(EUでの制度導入は初めて)。しかし同年7月、国務院によって中断される。
2023年9月:
新しい修正案(名称の規制案)を公表。
今後について
プラントベースの食品の表示に関する議論はヨーロッパで続いており、明確な規制が確定されるまで、企業にとってはケースバイケースの分析が必要であり、不確実性が生じています。今回のフランスの規制は、EUのプラントベース食品にどのような変化があるか、注目が集まります。
メールマガジン配信登録
こちらのブログに毎月投稿している食品表示に関するニュースやセミナー情報を、ご登録されたメールアドレス宛に送付させていただきます。
関連サービス
【海外輸出】原材料調査&食品表示調査:配合表、原材料規格書をもとに、原材料及び添加物の使用基準との適合性を検証します。また配合表、製品規格書等をもとに、原材料名や栄養成分等の食品表示案との適合性を検証します。輸出対象国の基準情報整理と確認業務の構築などにご利用いただいております。
関連記事一覧
黄 怡寧
趣味は音楽鑑賞と旅行。
最新記事 by 黄 怡寧 (全て見る)
- 各国の食品表示に関する改正動向 - 2024年6月4日
- フランスにおけるプラントベース食品(肉の代替品)の表示規制案について ~EUプラントベース食品に使用される用語の現状~ - 2023年10月3日
- 英国と日本の食品表示と考え方の違いについて - 2022年10月12日