「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」が公表されてから、およそ1年半が経過しました。ここで改めてガイドラインの概要と表示内容の確認方法についてまとめてみたいと思います。
ガイドラインの概要
本ガイドラインは食品添加物の不使用表示に関して、消費者に誤認等を与えないよう留意が必要な具体的事項をまとめたものであり、食品添加物の不使用表示を一律に禁止するものではありません。食品関連事業者等が、食品表示基準第9条に規定された表示禁止事項に当たるか否か自己点検を行う際に用いることができるものとされています。
ガイドラインでは、注意すべき食品添加物の不使用表示が10の類型に分けられ、具体例と共に留意点がまとめられています。
類型1:単なる「無添加」の表示
類型2:食品表示基準に規定されていない用語を使用した表示
類型3:食品添加物の使用が法令で認められていない食品への表示
類型4:同一機能・類似機能を持つ食品添加物を使用した食品への表示
類型5:同一機能・類似機能を持つ原材料を使用した食品への表示
類型6:健康、安全と関連付ける表示
類型7:健康、安全以外と関連付ける表示
類型8:食品添加物の使用が予期されていない食品への表示
類型9:加工助剤、キャリーオーバーとして使用されている(又は使用されていないことが確認できない)食品への表示
類型 10:過度に強調された表示
なお、実際の食品添加物の不使用表示が食品表示基準第9条に規定された表示禁止事項に該当するか否かは、商品の性質、一般消費者の知識水準、取引の実態、表示の方法、表示の対象となる内容などを基に、ケースバイケースで全体として判断するものとされています。
実務上の確認方法
実際にガイドラインの内容に沿ってどのように確認していけばよいのか悩まれる方も多いと思います。例えば、以下のように大きく3つに分け、段階的に表示の見直しを進めていくことをおすすめします。
① 類型3、6、7、8、9に該当しないか
② 類型1、2に該当せず、そのうえで4、5にも該当しないか
③ 類型9に該当しない確認ができており、かつレイアウトを含め類型10にも該当しないか
上記の流れで各類型との確認を進めることにより、表示の見直しが行いやすくなるものと考えられますので、一つの方法として参考にしていただければと思います。
今後について
実際に表示の見直しを進めると、使用原材料に関する多くの情報が必要であることに気づかれると思います。食品添加物の不使用表示を継続する場合は、情報管理(特に加工助剤、キャリーオーバー)に注意する必要があります。
来年(令和6年)の3月末までに本ガイドラインを用いて速やかに表示の見直しを行うことが求められていますので、この機会に改めてガイドラインの内容について確認されることをおすすめします。なお、啓発チラシ・ポスターや10類型イラストが別途公開されていますので、表示内容の確認時には併せて目を通されるとよいと思います。
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清水 友里恵
趣味はサックス。
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