
2025年3月28日、「食品表示基準の一部を改正する内閣府令」が公布され、同日に施行されました。改正内容および経過措置については、1月の意見募集時の改正案から変更はありません。改正の概要は以下のとおりです。
- 栄養強化目的で使用した食品添加物に係る表示免除規定の削除
(改正対象:第3条第1項、別表第4、24) - 栄養素等表示基準値等の改正
(改正対象:別表第9、10、12) - 個別品目ごとの表示ルールの見直し
(改正対象:※別表第3、4、5、19、20、22)※ただし調理冷凍食品は2026年4月1日施行
また通知(食品表示基準について、食品表示基準Q&Aについて)および「食品期限表示の設定のためのガイドライン」(食品表示基準Q&Aの別添として位置づけに変更)についても同日に改正されていますので、以下に主な改正内容を一部抜粋します。
「食品表示基準について」第38次改正より
令和7年4月1日改正後の栄養素等表示基準値に関する表示をする場合、従前の基準と区別するために、「栄養素等表示基準値(2025)」等、日本人の食事摂取基準(2025 年版)を基にしていることが分かるような表示とすることが望ましい。
その他、「食物繊維」「ビタミンB群」に関連する測定方法等の改正がなされています。
「食品表示基準Q&Aについて」第20次改正より
(加工-75-2)栄養強化の目的で添加物を使用した食品の表示については、添加物の使用だけではなく、当該栄養成分の量も消費者が自主的かつ合理的に食品を選択するために重要であることから、容器包装に当該栄養成分名を表示しない場合であっても、その量を表示することが望ましい。(中略)
(加工-64)1 香辛料及び香辛料エキスについては、食品表示基準第3条第1項の表の原材料名の項の規定により、既存添加物名簿(平成8年厚生省告示第 120 号)に掲げる添加物に該当するものを除き、その香辛料又は香辛料エキスの合算した重量が原材料全体に占める重量の割合の2%以下になる場合に限り、「香辛料」又は「混合香辛料」とのみ表示することができます。
なお、合算した重量が2%を超える場合は、それぞれ原材料に占める割合の高いものから順にその最も一般的な名称をもって表示するか、「香辛料」の次に括弧を付して、原材料に占める割合の高いものから順にその最も一般的な名称をもって表示することになります。ただし、「香辛料」でまとめて表示する場合にあっては、原材料に占める割合の低いものから順に合算して、原材料全体に占める重量の割合が2%以下までの原材料については、「その他香辛料」と表示することができます。(中略)
香辛料のQ&Aについては、個別品目の表示ルール見直しに伴う運用変更の必要性により改正されています。その他、「ノンカフェイン」及び「ノンアルコール」は、食品表示基準第3条第3項に規定する栄養表示に該当しないこと、中間加工原材料を使用した場合の原材料名の表示方法について、最終製品を製造する「事業者の判断で使用した原材料を最も一般的な名称で表示する」こと、などの改正がなされています。
また「食品期限表示の設定のためのガイドライン」改正(「食品の特性等に応じた安全係数の設定」等)にあわせて、まだ食べることができる食品が廃棄されないように配慮するなど、関連するQ&Aも変更がなされました。表示方法の例として「賞味期限 25-9」 「賞味期限 25 / 9」※(※全角「/」の前後に半角スペース)も追加されています。
各改正事項別の概要、経過措置については、「食品表示基準改正案およびカシューナッツ、ピスタチオについて」(2月6日)のうち、「食品表示基準改正案」の箇所を参照してください。今回の改正はやや複雑といえますので、十分に確認しておかれるとよいでしょう。
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川合 裕之
■職歴・経歴
1974年 岡山県生まれ
食品メーカー勤務後、2003年に食品安全研究所(現株式会社ラベルバンク)を設立。
「分かりやすい食品表示」をテーマとし、「食品表示検査・原材料調査」などの品質情報管理サービスを国内から海外まで提供しています。また、定期的に講演活動も行っています。
■主な著作物・寄稿ほか
【共著】
『新訂2版 基礎からわかる食品表示の法律・実務ガイドブック』 (第一法規株式会社, 2023)
【寄稿】
・2025年 4月1日 『Wellness Daily News』(株式会社ウェルネスニュースグループ)「食品表示基準の一部改正、課題征服へ 【解説】どこがどう変わったのか?今後の対策は?」
・2024年 第65巻 第4号 『食品衛生学雑誌』(公益社団法人日本食品衛生学会)「海外輸出向け食品における各国基準(添加物、栄養成分表示)の調査と実務上の課題」
・2021年10月『Wellness Monthly Report』(株式会社ウェルネスニュースグループ)40号
「食品表示関連規則の改正状況 今後の『食品表示』実務上のポイント」
・2020年2月『月刊 HACCP』(株式会社鶏卵肉情報センター)「アレルゲン表示の現状と留意点」
・2017年~2018年連載 『食品と開発』(UBMジャパン)「表示ミスを防ぐための食品表示実務の大切なポイント~」
>> 寄稿の詳細はこちら
【講義】
・2009~2014年 東京農業大学生物産業学部 特別講師
■最近の講演・セミナー実績
・2025年3月13日 輸出食品における各国基準 調査と実務上のポイント最新動向
一般財団法人日本能率協会様主催。
・2025年1月28日 加工食品の各国の表示作成実務における留意点について
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・2025年1月23日 日本の食品表示制度の改正状況~まとめと今後について
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・2024年4月11日 “低糖質、〇〇不使用、植物由来、機能性等” 健康に関する食品の輸入および輸出時の表示確認の実務について
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・2023年12月21日 輸出食品における各国基準(添加物および食品表示等)調査と実務上のポイント
一般財団法人食品産業センター様主催。
・2023年11月9日 食品表示基準と実務上の大切なポイント~保健事項、衛生事項を中心に~
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