『平成30年7月豪雨を受けた食品表示の弾力的運用について』

By | 2018年7月27日

※こちらの運用は年内(平成30年12月31日)で終了となります。
詳細は下記を参照ください。

 2018年7月13日、消費者庁は、災害救助法の適用を受けた被災地において、農林水産省及び厚生労働省と連名で、食品表示基準を弾力的に運用する旨を関係機関に通知しました。各通知は以下のサイトに掲載されています。

『食品表示に関するお知らせ』(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/

2018年7月13日~19日までに発表された通知


平成30年7月豪雨を受けた

  • 食品表示法に基づく食品表示基準の弾力的運用について
  • 乳児用液体ミルクの取扱いについて
  • 製造所の表示の運用について
  • 製造所固有記号の表示の運用について

各通知の概要(抜粋)


『食品表示法に基づく食品表示基準の弾力的運用について』

“食品の安全性に係る情報伝達について十分な配慮がなされていると判断されるとともに、消費者の誤認を招くような表示をしていない場合には、平成30年7月豪雨において災害救助法の適用を受けた被災地(※)において、譲渡又は販売される食品については、必ずしも食品表示基準に基づく義務表示事項の全てが表示されていなくとも、当分の間、取締りを行わなくても差し支えない”(※10府県60市37町4村)

“食品表示基準に基づく表示事項が容器包装に記載されていない食品を被災地で譲渡・販売する場合にも、アレルギー表示及び消費期限については、従来どおり個々の容器包装に表示する必要があることから、これまでどおり、取締りの対象となります。”

“賞味期限については、多くの業務用加工食品において、容器包装に表示されている状況もあり、可能な限り個別に表示する”

“消費者の誤認を招くような悪質な違反についての取締りを排除するものではない。悪質な違反については、引き続き、関係機関とも連携した取締りを行う”

『乳児用液体ミルクの取扱いについて』

“母乳代替食品としての用に適する旨を表示した乳児用液体ミルクについて、特別用途食品制度における許可及び承認を受けていない場合も、当分の間、取締りを行わなくても差し支えないこととします”

“ただし、アレルギー表示及び消費期限については、被災者の方々の食事による健康被害を防止することが何より重要であるため、従来どおり個々の容器包装に表示する必要があり、これまでどおり、取締りの対象となります。”

“食品衛生上、開封後の飲み残しは保管しない”

『製造所の表示の運用について』

“当分の間、平成30年7月豪雨において災害救助法の適用を受けた被災地の工場(製造所)で製造していた食品について、他の製造者や製造所に委託する場合にあっては、別添届出様式を用いてFAXにより消費者庁食品表示企画課へ届け出ることにより、実際の製造所の所在地及び製造者の氏名と食品に表示された製造所の所在地及び製造者の氏名とが異なることとなっても差し支えないこととします”

“消費者から製造所について問合せがあった場合には、実際に製造された製造所の名称及び所在地を回答する”

別添届出様式はこちら

『製造所固有記号の表示の運用について』

“当分の間、別添届出様式を用いてFAXにより消費者庁食品表示企画課へ届け出ることにより、平成30年7月豪雨において災害救助法の適用を受けた被災地の工場(製造所)で使用していた記号を他の工場(製造所)に例外的に使用できる”

“旧制度及び新制度にかかわらず、消費者から製造所固有記号について問合せがあった場合には、実際に製造された製造所の名称及び所在地を回答する”

別添届出様式はこちら

また、避難所の管理者の方への周知についても掲載されています。

避難所の管理者の皆さま

表示のない食品を提供する場合は、次のことに十分気をつけてください。

  • アレルゲンを含むかどうか不明な場合は、アレルギー疾患を有する被災者の方に渡さないでください。
  • 期限表示が不明な場合は、長期保存をさけ、早めに食べるようにしてください。開封後の食品は、食べ残しを保管せず、適切な喫食方法で、速やかに消費してください。
  • 乳児用液体ミルクについては、必要な情報を適切に提供してください。また、開封後の飲み残しを保管しないでください。

出典:食品表示の弾力的運用を踏まえた周知チラシについて(消費者庁)

被災地の方々が、一日でも早く平穏な生活を取り戻すことができますように。

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川合 裕之

代表取締役社長株式会社ラベルバンク
食品表示検査業をしています。国内と海外向けに、食品表示検査と原材料調査サービスを提供している経験をもとに、食品表示実務に関する講演をしています。

■職歴・経歴
1974年 岡山県生まれ
食品メーカー勤務後、2003年に食品安全研究所(現株式会社ラベルバンク)を設立。
「分かりやすい食品表示」をテーマとし、「食品表示検査・原材料調査」などの品質情報管理サービスを国内から海外まで提供しています。また、定期的に講演活動も行っています。

■主な著作物・寄稿ほか
【共著】
『新訂2版 基礎からわかる食品表示の法律・実務ガイドブック』 (第一法規株式会社, 2023)

【寄稿】
・2024年 第65巻 第4号 『食品衛生学雑誌』(公益社団法人日本食品衛生学会)「海外輸出向け食品における各国基準(添加物、栄養成分表示)の調査と実務上の課題」
・2021年10月『Wellness Monthly Report』(Wellness Daily News)40号
「食品表示関連規則の改正状況 今後の『食品表示』実務上のポイント」
・2020年2月『月刊 HACCP』(株式会社鶏卵肉情報センター)「アレルゲン表示の現状と留意点」
・2017年~2018年連載 『食品と開発』(UBMジャパン)「表示ミスを防ぐための食品表示実務の大切なポイント~」

>> 寄稿の詳細はこちら

【講義】
・2009~2014年 東京農業大学生物産業学部 特別講師

■最近の講演・セミナー実績
・2024年4月11日 “低糖質、〇〇不使用、植物由来、機能性等” 健康に関する食品の輸入および輸出時の表示確認の実務について
 アヌーガ・セレクト・ジャパン様主催。
・2023年12月21日 輸出食品における各国基準(添加物および食品表示等)調査と実務上のポイント
 一般財団法人食品産業センター様主催。
・2023年11月9日 食品表示基準と実務上の大切なポイント~保健事項、衛生事項を中心に~
 千代田保健所様主催。
・2023年11月8日 添加物の不使用表示について
 株式会社インフォマート様主催。
・2023年10月12日~13日 海外輸出向け食品の表示(添加物、栄養成分等)について
 公益社団法人日本食品衛生学会様主催。

>> 講演・セミナーの詳細はこちら

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