A pocket guide to the EU’s new fish and aquaculture consumer labels(EU)
(EUにおける新たな水産物の消費者向け表示のポケットガイド)
EUでは、欧州委員会(European Commission)が発行している上記タイトルのポケットガイド(リンク先は下記*)において、水産物の表示方法を規定しています。その内容は、「生鮮及び一部の加工水産物」と、「その他の加工水産物」の二つに大きく分かれており、二者いずれも名称(法令で定められている名称の他、慣習的に使用される名称や流通上使用される一般的な名称)の表示を義務付けしていると共に、前者については、学名の併記が義務付けられています。
【名称は、前者はCommercial designation、後者はName of the foodとそれぞれ呼んでいます。】
Commercial and scientific name of the species
Each EU country draws up and publishes a list of the commercial designations accepted in its territory, including accepted local or regional names.
(訳:(水産物の)該当種の名称と学名
EU各国では使用が認められているそれぞれの地域名を含め、名称と学名のリストを策定し、公開している。)
-The International Organization for Standardization (ISO) has defined nanomaterial as a material with any external dimension on the nanoscale (‘nano-object’) or having an internal or surface structure in the nanoscale (‘nanostructured material’)
(訳:ISOにおいて、nanomaterial(ナノ材料)を、ナノスケールの外形寸法を持つ材料(ナノ物体)若しくは、ナノスケールの内部構造又は表面構造を持つ材料(ナノ構造材料)と定義付けている。)
-‘Nanoscale’ is defined as ranging from approximately 1 to 100 nm
(訳:「ナノスケール」とは、おおよそ1から100ナノメーターの寸法のことをいう。)
-The European Commission recommended that a material with 50% or more of the particles in the number size distribution in the nanoscale (1–100 nm) should be regarded a nanomaterial.
(訳:EUではナノスケール(1から100ナノメーター)の大きさの粒子の粒度分布が50%以上の素材をnanomaterial(ナノ材料)とみなすことを推奨している。)
-Although this recommendation is currently under review, and has not yet been adopted under the relevant regulatory frameworks, the Scientific Committee advises to take this and any future reviews into consideration when assessing safety of materials consisting of particles.
(訳:この推奨内容は現在検討段階であり、関連法規の枠組み内で未採用ではあるが、Scientific Committee(科学委員会)は、粒子から成る材料の安全性を調査する際には、この考え方とこれに基づくその後の評価をすべて考慮に入れる様勧告している。)
Titanium dioxide E171 contains at most 50% of particles in the nano range (i.e. less than 100 nanometres) to which consumers may be exposed.
(訳:二酸化チタンE171は、消費者がさらされる可能性があるナノレベル(即ち100ナノメーター以下)の粒子の含有量は多くて50%である。)
Uncertainty around the characterisation of the material used as the food additive (E 171) was also highlighted, in particular with respect to particle size and particle size distribution of titanium dioxide used as E 171.
(訳:食品添加物E171として使用されている素材、すなわちE171として使用されている二酸化チタンのとりわけ粒径並びに粒度分布をどう特徴付けするかが確定していないことが注目されている。)
the Panel(注) concluded that titanium dioxide can no longer be considered safe as a food additive. A critical element in reaching this conclusion is that we could not exclude genotoxicity concerns after consumption of titanium dioxide particles. After oral ingestion, the absorption of titanium dioxide particles is low, however they can accumulate in the body (注)EFSA’s expert Panel on Food Additives and Flavourings (FAF)
(=食品添加物並びに香料に関するEFSA専門委員会(FAF))
(訳:委員会では二酸化チタンは安全とすることは出来ないと結論付けた。その結論に至る決め手となったのは、二酸化チタンの粒子を消費した後の遺伝毒性の懸念が拭いきれない点である。経口摂取後、二酸化チタンの粒子の吸収性は低いが、体内に蓄積される。)
最後にEFSAは見解を次のように結んでいます。
EFSA concluded that a concern for genotoxicity of TiO2 particles cannot be ruled out. Based on this concern, EFSA’s experts no longer consider titanium dioxide safe when used as a food additive. This means that an Acceptable Daily Intake (ADI) cannot be established for E171.
(訳:EFSAは、二酸化チタンの粒子について遺伝子毒性の懸念がぬぐい切れないと結論付けており、この懸念を基に、食品添加物としての安全性はもはや担保出来ないとしている。このことは、E171には一日摂取許容量(ADI)が設定出来ないことを意味する。)
この程弊社では、化学品に関する各国向け法規対応のコンサルティングを行っておられる中国の法人、REACH24Hコンサルティンググループ様の主催にてWebセミナーを実施致しました。頂いたテーマは、「日本における食品原材料並びに食品添加物に関する法的基準について」(原題:Regulatory Requirements of Food Ingredients/Additives Used in Japan)となっておりましたが、本コラムのタイトルに関するお話を中心にさせて頂きました。
その際に聴講者の方々に頂いたご質問があるのですが、これらの中には海外の方々に日本の添加物制度について説明をする際に頂く質問と重複するものが数多くありますので、そのいくつかをこちらに簡単にまとめてみたいと思います。
ちなみに、Webセミナー自体の内容は以下の通りとなっておりました。
Part 1: 食品添加物の使用基準について
(原題:Standards of use for additives)
Part 2: 医薬品的効果効能を有する食品原材料の使用について
(原題:Use of ingredients having medicinal effects/functions)
Part 3: 新規食品添加物の申請手続きについて
(原題:Application procedure for new food additives)
Part 4: 新規添加物の使用に関する最新情報
(原題:Updates regarding standards of use for additives (or newly accepted ones))
Part 5: 輸入食品における食品添加物の使用基準違反事例について
(原題:Example of violation cases concerning the standards of use of additives in imported food products)
昨年11月、中国国家市場監督管理総局(SAMR)より、中国への輸出食品を含むすべての食品を対象とする「Measures for the Supervision and Management of Food Labeling (食品表示に関する監督並びに指導)」の法案に対するパブリックコメントの募集が発表されました。法案のうち以下の2つの項目がこれまでの法令にはなかった内容の追加であるとのことです。