
2025年1月31日、「食品(改正)規則2025」が公示され、2026年1月30日に施行されます。本改正は食品表示ルールの更新を通じて、消費者保護と国際基準への適合を目指します。その一環として、シンガポール食品庁(SFA)は、「包装食品の表示に関するコーデックス一般規格(CXS 1-1985)」と「グルテン不耐症の人向け特殊用途食品の使用に関する規格(CXS 118-1979)」を参考にしました。『CXS 1-1985』は2024年版にて、含グルテン穀物の具体的な表示を求め、グルテンの明示を可能にしています。『CXS 118-1979』はセリアック病患者向けに「グルテンフリー」(20ppm以下)と「低グルテン」(20ppmを超え100ppm以下)を定義しています。セリアック病患者やグルテン過敏者のニーズに応じた製品が求められる中、誤表示リスクを防ぎ、消費者保護を強化します。
今回のグルテンフリーに関する改訂(Regulation 250B)の特徴
- 天然グルテンフリー食品(naturally gluten‑free food)の明確な定義の追加
- 栄養代替の明確な要件
グルテンフリーまたは低グルテン食品が主要栄養源(炭水化物、たんぱく質、脂肪酸、ビタミン・ミネラルなど)を代替する場合、代替される食品とほぼ同量の栄養素を含む必要があります。 - 厳格な表示規範
包装食品は、内容が該当する定義に完全に適合する場合を除き、「グルテンフリー(gluten-free)」、「天然グルテンフリー(naturally gluten‑free)」、「低グルテン(reduced gluten)」と表示できません。他の食品と混合包装の場合、表示は具体的な食品名の直前または直後に記載する必要があります。 - 「特別栄養食品」用語の禁止
天然グルテンフリー食品は「特別栄養食品」や類似の語句を使用できません。
他国との比較
アメリカ(FDA)は「グルテンフリー」を20ppm未満と定義し表示は任意、EU(Regulation (EU) No 828/2014)は「グルテンフリー」(20ppm以下)と「低グルテン」(100ppm以下)を任意に規定し、オーストラリア/ニュージーランド(FSANZ)は「グルテンフリー」を検出不可なものに限定と定義しオーツ麦および麦芽加工されたグルテンを含む穀物、またはその製品を禁止、グルテン含有穀物は「グルテン」を明示、カナダ保健省(Health Canada)は「グルテンフリー」を20ppm以下とし「低グルテン」は認めずグルテン含有成分を表示、いずれの国も位置要件や栄養規範はありません。
シンガポールは栄養代替要件、表示位置や混合包装の規範、天然グルテンフリーの定義を導入し、他国と比べ詳細かつ独自の枠組みを構築しています。この規制は消費者保護と市場透明性を高める一方、企業への適合負担や地域ニーズへの適応度が今後の課題となり、実効性は施行後の検証次第です。
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