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上級食品表示診断士。原材料、添加物の調査から食品表示の作成、チェックまで幅広い実務に従事しています。食品業界に長く在籍した経験を活かし、お客様からの食品表示に関する様々なご質問について、より分かりやすく回答できるよう取り組んでいます。

景品表示法関係ガイドライン等の重要性について


 今月は、消費者庁「景品表示法関係ガイドライン等」のページより食品を扱う事業者様に、今一度ご確認いただきたいガイドライン等をご紹介いたします。景品表示法の「優良誤認表示」の考え方から、その重要性も改めて知っていただく機会になればと思います。

ポイント
景品表示法における「表示」とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品・サービスの品質、規格、その他の内容や価格等の取引条件について、消費者に知らせる広告や表示全般を指す

メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について


 ホテルや百貨店、レストラン等が提供するメニュー・料理等の表示について、景品表示法の考え方(下記Q-1)と具体的な事例(Q-2以降)が分かりやすく解説されているものです。身近なメニュー・料理に関する内容ですので、優良誤認についてより親しみやすく、理解を深めやすいと思います。

Q-1 飲食店等において提供される料理等に関するメニューや料理名の表示について、どのような場合に景品表示法上問題となるのでしょうか。
<説明>(中略)具体的には、
① その料理や食材に関する社会常識や、用語等の一般的意味、社会的に定着していると認められる食品表示法等を含めた他法令等における定義・基準・規格などを考慮し、表示された特定の食材(A)と実際に使用されている食材(B)とが異なるといえる場合において、
② その料理の性質、その料理や食材に関する一般消費者の知識水準、その料理や食材の取引の実態、メニュー等における表示の方法、表示の対象となる内容などを考慮し、表示された特定の食材(A)と実際に使用されている食材(B)が異なることを一般消費者が知っていたら、その料理に惹きつけられることは通常ないであろうと認められる程度に達する誇大表示といえるときには、優良誤認表示に該当することになります。

 つまり、「表示された食材と実際に使用されている食材は、適切に対応しているか」を確認することが大切であるといえます。

不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針
(不実証広告ガイドライン)


 消費者庁長官は事業者に対し、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、事業者が求められた資料を期間内に提出しない場合や、提出された資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものと認められない場合には、不当表示とされるものです。
 そして提出資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであると認められるためには、次の2つの要件を満たす必要があります。

(1)提出資料が客観的に実証された内容のものであること
提出資料は、表示された具体的な効果、性能が事実であることを説明できるものでなければならず、そのためには、次のいずれかに該当する客観的に実証された内容のものである必要があります。
  ア 試験・調査によって得られた結果
  イ 専門家、専門家団体若しくは専門機関の見解又は学術文献
(2)表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること
提出資料が表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであると認められるためには、提出資料が、それ自体として客観的に実証された内容のものであることに加え、表示された効果、性能が提出資料によって実証された内容と適切に対応していなければなりません。

 「合理的な根拠」については、ガイドラインP5より〈例〉を交えながら解説がなされています。自社の取扱商品について、優良性を強調した表示をしている、していないにかかわらず、まずは表示の裏付けとなる根拠といえるかどうかを整理することが大切です。

商品の原産国に関する不当な表示


 商品の原産国について、原則として、次のような表示を不当表示として規定しています。

 (中略)
イ 外国で生産された商品についての次に掲げる表示であって、その商品がその原産国で生産されたものであることを一般消費者が判別することが困難であると認められるもの
(1)その商品の原産国以外の国名、地名、国旗、紋章その他これらに類するものの表示
(2)その商品の原産国以外の国の事業者又はデザイナーの氏名、名称又は商標の表示
(3)文字による表示の全部又は主要部分が和文で示されている表示

 ここでいう「原産国」とは、その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為(実質的変更行為)が行われた国をいい、個別の商品の実質的変更行為については、「『商品の原産国に関する不当な表示』の原産国の定義に関する運用細則」で規定されています。食品での対象品目は「緑茶・紅茶」「清涼飲料(果汁飲料を含む)」「米菓」です。なお、食品表示基準における「原産国」についても、「その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行われた国」のことを指しますので、食品表示基準Q&A(加工-156,157)等をご参照ください。

無果汁の清涼飲料水等についての表示


 原材料に果汁又は果肉が使用されていない清涼飲料水等、または僅少な量(5%未満)の果汁等が使用されている清涼飲料水等について、「原材料に果汁等が全く使用されていない旨」や、「使用されている果汁等の割合」が明りょうに記載されることなく行われる次のような表示を不当表示として規定しています。

(1)当該清涼飲料水等の容器又は包装に記載されている果実の名称を用いた商品名等の表示
(2)当該清涼飲料水等の容器又は包装に掲載されている果実の絵、写真又は図案の表示
(3)当該清涼飲料水等又はその容器若しくは包装が、果汁、果皮又は果肉と同一又は類似の色、香り又は味に着色、着香又は味付けがされている場合のその表示

 また「無果汁の清涼飲料水等についての表示」に関する運用基準によると、「果汁の割合」の表示は「糖用屈折計示度の基準に対する割合の数値を証明することができる」場合に限られる点にも注意が必要といえます。

 景品表示法の対象となる表示には、商品本体による表示(容器・包装を含む。)、店頭における表示、チラシ広告、新聞・雑誌による広告だけではなく、テレビやインターネットによる広告なども含みますので、その「幅の広さ」が特徴といえます。
 そのような幅の広い規則に対しては、共通する基本的な考え方を押さえておくことが大切だと思います。同ページには「違反事例集」も掲載されていますので、自社の取扱商品について誤認を与える表示になっていないか改めて確認いただく機会になればと思います。


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表示禁止事項について


 本年3月より「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン検討会」が開催されており、食品添加物の不使用表示について議論がされています。そして先日、「食品表示基準第9条に該当するか否かの確認」において、「誤認を生じさせるおそれのある食品添加物の不使用表示」について11の類型項目が作成されました。
 「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」の策定については来年3月の予定となっておりますが、現時点においても単に「無添加」とする場合や、加工助剤やキャリーオーバーに該当する添加物を使用している場合には、食品表示基準第九条(表示禁止事項)により禁止事項に該当する恐れがあるとされています。

個別の食品ごとの表示禁止事項


 第九条(表示禁止事項)には、「不使用」のような横断的な規則だけでなく、個別の食品ごとに定義されている場合がある点に注意が必要です。

別表第二十二の上欄に掲げる食品にあっては、同表の下欄に掲げる表示禁止事項を容器包装に表示してはならない。

別表第二十二(一部抜粋)

食品 表示禁止事項
農産物缶詰及び農産物瓶詰 1「天然」又は「自然」の用語
2「純正」その他純粋であることを示す用語
マカロニ類 原材料の一部の名称を他の原材料の名称に比べて特に表示する用語。ただし、製品百グラム当たり当該原材料の固形分が、卵にあっては四グラム以上、野菜にあっては三グラム以上含まれている場合は、この限りでない。
チルドぎょうざ類 原材料のうち特定のものを特に強調する用語。ただし、別表第十九のチルドぎょうざ類の項の規定に従い、「魚肉」又は「野菜」の用語を表示する場合、あんに占める重量の割合が次の表に定める割合以上である原材料の名称を冠した商品名を用いる場合又は商品名を併せて、特定の原材料を含む旨及び当該原材料の重量の割合を表示する場合は、この限りでない。

(一部抜粋)

名称 原材料名 あんに占める重量の割合
チルドぎょうざ 食肉 三十パーセント
  牛肉 十五パーセント
  かに 十パーセント

 一部を上記に引用しましたが、別表第二十二には、表示が禁止されている「用語」を規定しているもの、原材料名等を表示する場合の「割合」や「含有率」などを規定しているものがあることが分かります。
 「農産物缶詰及び農産物瓶詰」の表示禁止事項である「天然」「自然」の用語、また他の食品である「新鮮」や「フレッシュ」については、容器包装でも見かける食品もあると思いますが、その場合は禁止されている食品ではないということです。
 例えば「マカロニ類」では、「ほうれん草」を練りこんだ「ほうれん草入りスパゲッティ」という商品について、「ほうれん草」は野菜に該当しますので、「ほうれん草」の固形分が製品100g当たり3グラム以上含まれている場合には、禁止事項に該当しないことになります。
 また、「チルドぎょうざ類」にある割合の規定については例えば「かに入りギョウザ」という商品名のチルドのぎょうざがある場合で、特に「かに」の重量の割合が商品名に併記されていなければ、あんに占める重量の割合が10%以上であるということになります。「かに」については、冷凍ぎょうざや冷凍しゅうまい、冷凍コロッケにもそれぞれ規定があり、「かに」の含有率を確認することになります。

別表第五に記載の食品について


 第九条の表示禁止事項とは別に、第三条では名称の使用に制限を設けた規定があります。

別表第五の上欄に掲げる食品以外のものにあっては、それぞれ同表の下欄に掲げる名称を表示してはならない。

 別表第五を確認しますと最初に、上欄に掲げる食品、「トマト加工品」の「トマトジュース」には、名称「トマトジュース」の記載があります。「トマトジュース」の用語の定義は別表第三に記載がありますが、この定義に合致するものだけが名称に「トマトジュース」と表示できることになり、合致していない場合は名称に「トマトジュース」と表示できないことになります。

公正競争規約による表示禁止事項


 食品表示基準だけではなく公正競争規約にも「不当表示の禁止」として規定があります。食品表示基準と同様、「用語」の規定や「割合」の規定の他に、名称によって不当表示に該当する規定や、表示だけでなく、過大な容器包装の禁止事項の記載がある規約もあります。

 食品表示は名称によって別記様式一以外にも表示事項が定められているように、食品の名称によって表示禁止事項も異なりますので、自社で製造、取扱っている商品について改めて確認していただくきっかけになれば幸いです。


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新たな加工食品の原料原産地表示制度~経過措置期間終了まで約半年となりました~

 「ドレッシング類の表示に関する公正競争規約」、「ハム・ソーセージ類の表示に関する公正競争規約」、「発酵乳・乳酸菌飲料の表示に関する公正競争規約」・・・。これらは今年6月に改正された規約ですが、いずれも主に食品表示基準との整合性を図るための改正で、「原料原産地名」の事項の追加などがされています。新たな加工食品の原料原産地表示制度は4年前に施行されたものですが、約半年後に経過措置期間が終了しますので、その前に改めて主な改正内容を整理してみたいと思います。

原料原産地表示の対象


 消費者への情報提供を目的として、国内で製造又は加工された全ての加工食品(輸入品を除く)。

対象原材料


 原材料に占める重量割合が最も高い原材料(重量割合上位1位の原材料)。ただし、食品表示基準別表15の1に掲げる22食品群と、農産物漬物等の5品目は個別に原料原産地の規定があり、対象となる原材料を定めています。また、他の法律の規定に基づき、食品表示基準の原料原産地表示の規定が適用されないものもありますので、食品表示基準Q&A(原原-2)をご参照ください。

表示方法


 食品表示基準Q&Aに記載の例示を見ながら、改正内容を確認してみたいと思います。

1. 対象原材料の産地について、改正前の表示方法と同様に、国別に重量割合の高いものから順に国名を表示する「国別重量順表示」を原則とします。

(原原-18)1.(原料原産地を原材料の次に括弧を付して表示)

名 称 ポークソーセージ(ウインナー)
原 材 料 名 豚肉(カナダ、アメリカ)、豚脂肪、たん白加水分解物(大豆・豚肉・ゼラチンを含む)、還元水あめ、食塩、香辛料(大豆を含む)/調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na、K)、・・・

2. 対象原材料が加工食品の場合、中間加工原材料の「製造地」を表示します。

(原原-42)1. 中間加工原材料の「りんご果汁」を購入し、使用している場合
(原料原産地を原材料の次に括弧を付して表示)

名 称 清涼飲料水
原 材 料 名 りんご果汁(ドイツ製造)、果糖ぶどう糖液糖、果糖/酸味料、ビタミンC

3.「国別重量順表示」が難しい場合には、一定の条件の下で、「又は表示」や「大括り表示」が認められます。

◆「又は表示」
 「又は表示」とは、原材料の原産地として使用する可能性のある複数国を、過去の一定期間における産地別使用実績又は今後の一定期間における産地別使用計画における重量割合の高いものから順に「又は」でつないで表示する方法です。
 原材料の過去の一定期間における産地別使用実績(新製品又は原料調達先の変更が確実な場合は、今後の一定期間における産地別使用計画)からみて、国別重量順表示を行おうとした場合に、表示をする時点(製造日)を含む1年間で重量順位の変動や産地切替えが行われる見込みであるなど、国別重量順表示が困難である場合に用いることができる表示方法であり、根拠書類の保管がその条件となっています。
 「又は表示」をする場合は、過去の一定期間における使用実績又は今後の一定期間における使用計画における対象原材料に占める重量の割合(一定期間使用割合)の高いものから順に表示した旨の表示を付記します。

(原原-28)《例1:外国の産地2か国の場合》

名 称 ポークソーセージ(ウインナー)
原 材 料 名 豚肉(カナダ又はアメリカ)、豚脂肪、たん白加水分解物(大豆・豚肉・ゼラチンを含む)、還元水あめ、食塩、香辛料(大豆を含む)/調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na、K)、・・・

※ 豚肉の産地は、2018年の使用実績順

 この場合は、「カナダのみ」、「アメリカのみ」、「カナダ、アメリカの順番」、「アメリカ、カナダの順番」の4通りの産地のパターンであり、過去の一定期間における産地別使用実績又は今後の一定期間における産地別使用計画において、カナダ産の原料の方がアメリカ産の原料よりも使用割合が多いことを表します。

◆「大括り表示」
 「大括り表示」とは、3か国以上の外国の原産地表示を「輸入」と括って表示する方法です。なお、輸入品と国産品を混合して使用する場合には、輸入品と国産品との間で、重量割合の高いものから順に表示する方法です。
 原材料の過去の一定期間における産地別使用実績(新製品又は原料調達先の変更が確実な場合は、今後の一定期間における産地別使用計画)からみて、国別重量順表示を行おうとした場合に、3以上の外国の原産地表示に関して、表示をする時点(製造日)を含む1年間で重量順位の変動や産地切替えが行われる見込みで、国別重量順表示が困難である場合に用いることができることとし、同じく根拠書類の保管を条件とします。

(原原-33)《例1:3以上の外国産のみの場合》

名 称 こいくちしょうゆ(本醸造)
原 材 料 名 大豆(輸入)、小麦、食塩

 「又は表示」との相違点は、過去の一定期間における産地別使用実績又は今後の一定期間における産地別使用計画に基づく表示である旨の表示は不要であることです。

◆「大括り表示+又は表示」
 「大括り表示+又は表示」とは、過去の使用実績等又は今後の一定期間における産地別使用計画に基づき、「輸入」と「国産」を、使用が見込まれる重量割合の高いものから順に、「又は」でつないで表示する方法です。
 過去の一定期間における国別使用実績又は今後の一定期間の国別使用計画からみて、大括り表示のみでは表示が困難な場合に用いることができ、同じく根拠書類の保管を条件とします。
 「大括り表示+又は表示」をする場合は、過去の一定期間における産地別使用実績又は今後の一定期間における産地別使用計画に基づく表示である旨を付記します。

(原原-36)《例1》

名 称 ポークソーセージ(ウインナー)
原 材 料 名 豚肉(輸入又は国産)、豚脂肪、たん白加水分解物(大豆・豚肉・ゼラチンを含む)、還元水あめ、食塩、香辛料(大豆を含む)/調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na、K)、・・・

※ 豚肉の産地は、平成30年6月から令和1年5月までの使用実績順

 この場合は、「輸入のみ」、「国産のみ」、「輸入、国産の順番」、「国産、輸入の順番」の4通りの産地のパターンを表します。また過去の一定期間における産地別使用実績又は今後の一定期間における産地別使用計画において、輸入品(合計)の方が国産よりも使用割合が多いことを表します。

 「又は表示」、「大括り表示+又は表示」に必要な「過去の一定期間における産地別使用実績又は今後の一定期間における産地別使用計画に基づく表示である旨」の表示については、(原原-37)に記載、また、「保管すべき資料」については(原原-38)に記載があります。

 以上、食品表示基準Q&Aを中心に触れてみましたが、食品表示基準Q&Aだけでなく農林水産省よりマニュアルやパンフレットが用意されています。既に原料原産地名表示に対応されている会社様が多いと思いますが、改めて表示についてご検討いただく機会となればと思います。


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食品添加物の不使用表示に関するガイドラインについて


 2021年3月4日に第1回食品添加物の不使用表示に関するガイドライン検討会が開催されました。2019年度実施の「食品添加物表示制度に関する検討会」における意見等を踏まえ、食品添加物の不使用表示の実態を把握し、類型化するとともに、実際の表示を例として、以下について検討していくものです。

検討内容について


(1)ガイドラインの内容

  1. ガイドラインの対象
  2. 不使用表示の類型:誤認につながるおそれのあるものとそうでないもの
  3. 誤認につながらない表示方法
  4. ガイドラインの猶予期間(経過措置期間)

(2)その他 ・食品表示基準Q&A(加工-90)等の改正の検討 等

現行の課題


 現行の食品表示基準における食品添加物不使用表示に係る解釈は、上記(2)の食品表示基準Q&A(加工-90)に記載があります。

(加工-90)
「添加物は一切使用していません」、「無添加」などと表示をすることはできますか。

(答)

  1. 通常同種の製品が一般的に添加物が使用されているものであって、当該製品について添加物を使用していない場合に、添加物を使用していない旨の表示をしても差し支えないと考えます。
    なお、加工助剤やキャリーオーバー等で表示が不要であっても添加物を使用している場合には、添加物を使用していない旨の表示をすることはできません。
    また、「無添加」とだけ表示することは、何を加えていないかが不明確なので、具体的に表示することが望ましいと考えます。
  2. さらに、同種の製品が一般的に添加物が使用されることがないものである場合、添加物を使用していない旨の表示をすることは適切ではありません。

 加工助剤やキャリーオーバーに該当する添加物は表示が不要であるため、使用していたとしても表示はされないことから、消費者には表示では見えないものとなり、「添加物不使用」の表示は、本当に「添加物不使用」であると消費者が誤認してしまう可能性は否定できないものと考えます。

 また、現在の禁止事項、食品表示基準第9条では以下に記載があります。(一部抜粋)

一  実際のものより著しく優良又は有利であると誤認させる用語
二  第3条及び第4条の規定により表示すべき事項の内容と矛盾する用語
十三 その他内容物を誤認させるような文字、絵、写真その他の表示

 この禁止事項より添加物を使用した加工食品に「(添加物)無添加」と表示することは禁止事項に該当するもの(食品表示基準Q&A(加工-282))となりますが、優良(有利)誤認にあたるか否かは、商品の性質、一般消費者の知識水準、取引の実態、表示の方法、表示の対象となる内容などを基に、ケースバイケースで全体として判断されています。

今後の予定


 ケースバイケースで判断されているものを類型化してガイドライン上に整理するのは難しいものです。今後のスケジュールについては、以下の(案)が公開されております。

2021年3月



第1回
• 食品添加物の不使用表示に関する議論の振り返り
• 検討の進め方について
第2回
• 関係者ヒアリング(消費者、事業者等)
第3回以降
• ヒアリング
• 調査結果を踏まえた検討
• ガイドライン取りまとめに向けた検討
• パブリックコメントの実施及びガイドライン案への反映
2022年3月 ガイドラインの作成・公表、関連するQ&Aの改定

 なお、ガイドラインは食品表示基準の規定につき、容器包装上の表示を対象としています。ただしガイドライン策定により「既存の公正競争規約の改正、新規策定」「広告等の指導」に加え、ガイドラインを参考として景品表示法の適用により、消費者の誤認につながる不使用表示を縮減するなどの効果が期待されています。

 今後、猶予期間(経過措置期間)も検討されることとなりますが、現在の商品の表示に「保存料無添加」「添加物不使用」等の表示を容器包装にしている事業者様、また広告等に表示をされている事業者様におかれましては、商品の配合や原料規格書を改めて見直す1年とされてみてはいかがでしょうか。


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「マルチビタミン」「ビタミンたっぷり」の表示について


 総務省統計局の「家計消費状況調査」9月分において、2人以上世帯のネットショッピング支出額は15,981円で、前年同月比2.6%増というデータが発表されています。昨年の9月といえば、消費税増税前の駆け込み需要がありましたが、それを上回り、中でも「健康食品」は670円で同21.6%増と6ヵ月連続の2ケタ増となっているようです。
コロナ禍での外出を控えた買い物のニーズと、そして健康への意識が高まっているといえるのではないでしょうか。

 最近は屋外に出る機会が減ったこともあり、食事だけでなく、日光浴によって得ることのできるビタミンDに関する健康食品を店頭で意識するようになりました。そこで「マルチビタミン」という文字を見かけると、ビタミンDだけではなく、他のビタミンも摂取できるならそのほうがいいのでは・・・という発想でついつい手に取ってしまう方も多いかもしれません。

 ところで「マルチビタミン」と容器包装に、高い、低いに言及せずに栄養成分名のみ目立たせて表示するものについては、栄養強調表示の規定は適用されませんが、栄養成分表示枠内にも当該栄養成分の量を必ず表示する必要があるということはご存知でしょうか。「ビタミン」と総称で表示されておりますので食品表示基準で規定されている以下のすべてのビタミン類の栄養成分表示が必要になるということです。

食品表示基準別表第9に掲げられた栄養成分(ビタミン類 13種)
ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸

 ここで「ビタミンたっぷり!」という表示の商品があったと仮定すると、さらに上記のビタミン類が「栄養強調表示」の「高い旨」の表示に該当し、上記のビタミン類についてすべて「高い旨の表示の基準値」以上である必要があります。また、合理的な推定により得られた一定の値の表示(「この表示は、目安です」、「推定値」等の表示を含む)はできません。

 上記13種類すべてではなく、実際には一部のビタミンのみ栄養強調表示の基準を満たしているといった場合には、「ビタミン」といった総称で表示をするのではなく、「ビタミンC」や「ビタミンD」といった具体的な成分名や「5種類のビタミン(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12)」等、栄養成分名が分かる表示をすることが必要です。

 「ミネラル」についても同様で、総称で強調表示を行う場合、すべてのミネラル類について基準を満たす必要があります。

 また食品表示基準が適用される栄養表示とは、「ビタミンDたっぷり!」等の邦文によるものですが、全体として邦文表示を行っていても、食品表示基準に適合しない栄養強調表示のみを邦文以外(High calcium等)で行うこと等は適切ではありません。

 取り扱っている商品や製造されている商品に「ビタミン」や「ミネラル」といった総称で表示されている商品がある場合は、「健康食品」に注目が高まっているこの機会に、再度確認をしてみてはいかがでしょうか。

 ちなみに「ビタミンD」は、マイタケやシラスなどに多く含まれています。12月はまだ「秋シラス」のシーズンですのでこういった旬の食材と「健康食品」を上手く併用しながら摂取していきたいものです。


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有機JAS制度について

 有機JAS制度とは、JAS法(日本農林規格等に関する法律)に基づき、「有機JAS」に適合した生産が行われていることを第三者機関が検査し、認証された事業者に「有機JASマーク」の使用を認める制度です。

有機JASマーク

 諸外国と同様に、コーデックス(食品の国際規格を定める機関)のガイドラインに準拠し、農畜産業に由来する環境への負荷を低減した持続可能な生産方式の基準を規定しています。

  • 有機農産物にあっては、堆肥等で土作りを行い、化学合成肥料及び農薬の不使用を基本として栽培
  • 有機畜産物にあっては、有機農産物等の給与、過剰な動物医薬品等の使用の制限、動物福祉への配慮等により飼養
  • これらの生産に当たっては、遺伝子組換え技術は使用禁止 など

 JAS法ではこれまで、「指定農林物資」として、有機農産物及びその加⼯品を指定しており、これらは第三者認証を受け有機JASマークを付さなければ「有機」等との表⽰ができず、有機畜産物及びその加⼯品は指定していなかったため、これらは有機JASマークを付さなくとも「有機」等との表⽰が可能でしたが、2020年7月16日より、有機畜産物、有機畜産物加工食品についても第三者認証を受け有機JASマークを付さなければ「有機」等との表⽰はできないことになりました。

 これまで、「有機たまご」、「有機牛乳」、「有機ハム」、「有機ミルクチョコレート」といった食品については有機JASマークを付さなくとも表示が可能であったのが、有機農産物や有機農産物加工品と同様にJASマークを付して販売する必要があります。

 有機認証制度の相互承認として、有機認証について他国の制度を自国の制度と同等と認め、相手国の有機認証品を自国の有機認証品として取り扱う国家間の取決めがあり、現在は下記の国において承認されています。

有機農産物、有機畜産物及び有機加工食品・・・アメリカ、カナダ、スイス、オーストラリア
有機農産物、有機農産物加工品・・・アルゼンチン、ニュージーランド、EU、台湾※

※台湾との間では、公益財団法人日本台湾交流協会と台湾日本関係協会との間の民間取決めを踏まえ、日台双方の関係当局が日台の制度を同等と認め、相手側の有機認証品を自国・地域の有機認証品として取り扱うこととしたもの。

 これらの国で生産し、これらの国の制度で有機認証を受けた製品は、有機同等性を利用し「有機〇〇」などと表示することができます。それ以外の国や地域から輸入する場合は、製造者が有機JAS認証を取得していなければ「有機〇〇」と表示できません。

 有機畜産物、有機畜産物加工食品の移行期間は、2020年7月16日以降に表示を付す場合は規制の対象となります。2020年7月16日以前に生産、製造又は加工された畜産物又はその加工食品でも同様になります。

 輸入品の場合は2020年7月16日以降に輸入業者が「販売」、「販売の委託」、「販売の陳列」などをする場合に対象になります。

 表示については「有機農産物、有機加工食品、有機畜産物及び有機飼料のJASのQ&A」(問34-1~34-15)にも記載がありますので、ご一読ください。

 有機畜産物、有機畜産物加工食品についての有機JAS制度もすでに始まっています。対象食品を生産、扱っている会社様におきましては、再度有機JAS制度、有機JASマークについてご確認いただけるきっかけになると幸いです。


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栄養強調表示の表現について


 「カルシウムたっぷり」、「脂肪ゼロ」、「塩分30%カット」・・・。
栄養強調表示については「食品表示基準」に基準が定められており、表示をする場合は、定められた条件を満たす必要があります。

 表現例としては、下記の例示があります。

栄養成分の補給ができる旨及び栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨の表現例(「食品表示法に基づく栄養成分表示のための ガイドライン」P19)


(1)栄養成分の補給ができる旨

高い旨 高○○、○○豊富、○○多
その他上記に類する表示
含む旨 ○○源、○○供給、○○含有、○○入り、○○使用、○○添加
その他上記に類する表示
強化された旨 ○○30%アップ、○○2倍
その他、他の食品と比べて栄養成分の量が強化された旨の表示

(2)栄養成分又は熱量の適切な摂取ができる旨

含まない旨 無○○、○○ゼロ、ノン○○
その他上記に類する表示
低い旨 低○○、 ○○ひかえめ、○○少、○○ライト、ダイエット○○
その他上記に類する表示
低減された旨 ○○30%カット、○○10gオフ、○○ハーフ
その他、他の食品と比べて栄養成分の量が低減された旨の表示

糖類を添加していない旨又はナトリウム塩を添加していない旨の表現例


糖類を添加していない旨 糖類無添加、砂糖不使用
その他上記に類する表示
(※「ノンシュガー」、「シュガーレス」のような表示は、糖類に係る含まない旨の表示の基準が適用)
ナトリウム塩を添加していない旨 食塩無添加、食塩不使用
その他上記に類する表示

 では、「その他上記に類する表示」にはどんな表現があるでしょうか?
 
 令和2年4月に消費者庁のホームページに掲載された「平成30年度市販食品における栄養成分表示及び栄養機能食品の表示に関する実態調査報告書」(P13)には、「栄養強調表示の例」として上記以外に「食物繊維しっかり」と記載されています。
「食物繊維がしっかり(含有されている)」ということですね。

 製造、販売する商品に対して「栄養強調表示」をしようとされる場合、上記の様な表現例を確認した上で表示を検討されると思いますが、そのように意図されなくても「その他上記に類する表示」をしている場合があるかもしれません。

 また、栄養強調表示は、一括表示の枠外に目が行きがちですが、一括表示の枠内に「名称:○○(カリウムやマグネシウム等該当する栄養成分の名称等)含有食品」とされているものも「栄養強調表示」の1つと考えます。

 「栄養強調表示」は欠乏や過剰な摂取が国民の健康の保持増進に影響を与えている栄養成分について、表示をする際の基準を定めています。

 このコロナ禍で健康や栄養への意識はより高まっていると感じます。ご紹介した調査結果やガイドラインをご一読していただき、貴社のパッケージや表現例を改めて確認してみてはいかがでしょうか。


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フローズンチルド商品の表示についての注意点


 「フロチル」という言葉をご存知ですか?「フローズンチルド商品」の略語です。明確な用語の定義はありませんが、「冷凍状態で流通・保管を行い、販売時に解凍し冷蔵状態で販売を行う商品」や「冷凍状態で保管された食品を、流通段階で解凍し、チルドの温度帯で販売する商品」など、保存条件が「冷凍(フローズン)」→「冷蔵(チルド)」に変更される商品を指しています。

 ここ数年で「フローズンチルド商品」が増えている背景がありますが、こうした商品は「流通段階で適切に保存方法を変更したものであって、消費期限又は賞味期限の表示の変更が必要となる場合」に該当します。そして、適正な表示を確保する観点から、変更された保存方法及びこれに基づく新たな期限を改めて設定し、適切に表示し直さなければなりません。

 例えば、冷凍では1年ある賞味期限が冷蔵で販売となると、科学的・合理的根拠を持って賞味期限の再設定が必要となります。

 食品表示基準では、「保存温度変更者」等の表示を義務付けてはいませんが、「保存温度変更者」等の表示や「保存温度を変更した」旨を分かりやすく表示することが望ましいとされており、今後、厚生労働省や自治体とも相談しつつ、実態の把握を進め、問題点を整理した上で、検討して行く予定との記載がありますので、消費者庁のホームページや食品表示基準のページを定期的に確認する必要があります。

 では、「フローズンチルド商品」における表示にはどんな注意すべき規則があるでしょうか?

 例えば温度帯の変更される「ケーキ」、「プリン(缶入り以外のもの)」については、「賞味期限」や「保存方法」だけではなく「内容量」の表示にも注意が必要なポイントと言えるでしょう。

 通常の「ケーキ」、「プリン」は、「洋生菓子(パイ類、ケ-キ類、かすてら、シュ-菓子類、プリン・ゼリ-類、その他の洋生菓子)」(特定商品分類表では「第12号の菓子類」に記載)に該当します。こちらは、特定商品ではありませんので、例えば「内容量:3個」など、内容個数での表示が可能です。

 しかし、同表の1番下、「第12号 備考(留意事項、迷いやすい商品等)」に下記の記載があります。

ケーキが冷凍食品として販売される場合は、第12号ではなく「第21号(2)の「調理冷凍食品」に分類されます。

 そこで、「第21号 調理食品」の表を確認しますと、「プリン」、 「ケ-キ」は網掛けがかかっていますので「特定商品」となり、質量での表示が必要と分かります。

 他にも「特定商品分類表」には「冷凍食品として販売するときには」と注意がある食品の掲載がいくつかありますので、温度帯変更の商品を扱う場合には、「賞味期限」、「保存方法」と同時に「内容量」も変更が必要かどうか確認されるとよいと思います。


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目的成分について


 弊社では、既に表示を作成されているお客様から配合表や原料規格書をお預かりし、その表示案を確認後「食品表示調査レポート」としてご提出する業務を行っております。一括表示内で「原材料名」、「添加物」に記載されている内容が重量順になっているかどうかは配合表、原料規格書を突き合わせながらの確認となりますが、作成されている方も、確認する私たちも時間がかかる事項の1つです。
 添加物の重量順は、「目的成分」の重量の割合の高いものから表示します。この「目的成分」とは何か?が筆者個人も当初はなかなか理解できませんでしたが、食品表示基準では以下に記載があります。

食品表示基準Q&A P124(加工-91)
添加物製剤を使用している加工食品について、添加物製剤を構成する添加物をどのような順序で表示すればよいですか。
(答)
目的成分の重量の割合の高いものから順に表示してください。

 例えば、洋菓子の配合表の一部分です。添加物製剤の前に「複合原材料」である「りんごシロップ漬け」の例をご覧ください。

 「りんごシロップ漬け」という製品を製造するのに添加物として「酸味料」、「酸化防止剤(V.C)」、「乳酸カルシウム」がそれぞれの「目的」で使用されていることが分かりますのでわかりやすいと思います。

 では、添加物製剤だとどうでしょうか?

 こちらは、「乳化剤製剤」です。「レシチン」、「ポリリン酸ナトリウム」、「リン酸三カルシウム」が乳化剤としての「目的成分」になりますので、製品中配合割合「5.0%」、「0.5%」、「0.05%」を足して、乳化剤は「5.55%」で計算します。

 もう1つ、添加物製剤の例をみてみましょう。

 この例では「香料・着色料製剤」となっています。「目的」は商品に「香り(香料)」を付けること、「色を付けること(着色料)」となりますので、目的成分は「香料成分」と「クチナシ黄色素」です。
 重量順を決定するときは「目的成分」の重量の割合が高いものから、ですので、「香料・着色料製剤」の一次配合率である「10%」で計算するのではなく、製品中配合割合の「0.15%」、「0.1%」でそれぞれ計算することになります。

 「りんごシロップ漬け」、「チーズ用乳化剤製剤」、「香料・着色料製剤」のみで添加物の重量順を決定してみますと添加物欄は以下のようになります。

添加物:乳化剤(5.55%)、酸味料(0.3%)、酸化防止剤(V.C)(0.15%)、香料(0.15%)、クチナシ黄色素(0.1%)、乳酸Ca(0.05%)

 「原料規格書」の添加物の部分が「社外秘」で配合率が分からないという場合もあると思いますが、その際は、『「食品表示基準」において「目的成分」での計算が必要ですので、「目的成分」の配合率だけでも教えてください。』と仕入先様にお問い合わせをしていただくと良いかもしれません。
 このコラムが作成の際のヒントになると幸いです。


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グルテンフリーについて

 近年、海外から米粉等を使用した「グルテンフリー」と表示された加工食品が輸入されています。
米粉だけではなく、他の商品にも表示されていることもあります。
欧米諸国における「グルテンフリー」表示と、 日本における食品表示基準に基づくアレルギー表示とは基準が異なりますので、消費者庁より発行された「食品表示の適正化に向けた取組について」の啓発パンフレットに沿って触れてみたいと思います。

グルテンとは?


 米国食品医薬局(FDA)は食品アレルゲン表示および消費者保護法(FALCP)に基づき、 2013 年からグルテンフリー表示規則を施行しており、本規則ではグルテンという用語について、「グルテン含有穀物で自然発生するたんぱく質であり、セリアック病疾患者に健康上の悪影響を与える可能性のあるもの」を意味すると定義づけており、この定義における「グルテン含有穀物」とは、小麦、ライ麦、大麦をはじめとする穀物を指し、グルテン含有物から発生するタンパク質の例としてはプロラミンやグルテリンが挙げられます。

EUやアメリカ等における「グルテンフリー表⽰」と、⽇本の「アレルギー表⽰」とは基準が異なります。


EU・アメリカ等のグルテンフリー表示

  • セリアック病の人の商品選択に資する観点から、「グルテンフリー」表示が可能。
  • 表示する際は、グルテン濃度が20ppm未満。

日本国内のアレルギー表示

  • 食物アレルギーが、ごく微量のアレルゲンによって引き起こされることがあるため、小麦などの特定原材料を含む食品にあっては、原材料としての使用の意図にかかわらず、原則、当該特定原材料を含む旨を表示する必要がある。
  • 数ppm以上の小麦総たんぱく量を含む状況であれば、容器包装に小麦のアレルギー表示をしなければならない。
  • 混入の可能性が排除できない場合については、 食物アレルギー疾病を有する者に対する注意喚起表記を推奨。

 日本では、「グルテンフリー」の記載の基準はありません。
表示自体は可能ですが、基準に則り「グルテンフリー」と記載を行う場合でも「小麦アレルゲンを含まないことを示すものではない」などの注釈が必要だと考えられます。

 ⼩⻨アレルゲンを含む⾷品に「グルテンフリー」と強調した表⽰をしたときには、消費者が⼩⻨アレルゲンが含まれていないと判断すると考えられることから、景品表⽰法等の規制上、問題となるおそれがありますので注意が必要です。

 また、日本では、2年前にグルテン含有量「1ppm以下」の米粉を「ノングルテン」と表示する「米粉製品の普及のための表示に関するガイドライン」を策定・公表しました。EU・アメリカ等のグルテンフリー表示の「20ppm未満」より更に低い基準になっていますので、こちらも参考にご一読いただければと思います。


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