※この記事は「食品表示に関する制度改正状況のまとめ(1)」(2024年12月6日)の続きです。
※【追記】現在、改正案の意見募集(2025年1月28日まで)が始まっています。
2024年12月13日、「令和6年度食品表示懇談会」において栄養素等表示基準値の改正案の検討および、個別品目ごとの表示ルール見直し分科会の経過(第1回~第7回)報告がなされました。
栄養素等表示基準値の改正
2024年10月11日に公表された「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(厚生労働省)を踏まえ、栄養素等表示基準値等が改正されます。改正の詳細は「栄養成分表示に関する改正内容(案)について」を参照してください(カルシウムやビタミンD等、基準値が増えるものもあります)。
なお同基準値の改正に伴い、「栄養強調表示の補給ができる旨の表示(含む旨、高い旨、強化された旨)」の基準もあわせて改正される見込みですので、強調表示をされている方は確認が必要となります。
個別品目ごとの表示ルールの見直し
横断的な基準に合わせる方向で見直しの検討がされてきましたが、これまでの議論で「完全に廃止された品目があった(ヒアリング対象22品目のうち7品目)」ほか、「定義・名称は維持したい」「個別的義務表示事項を残したい」等の要望もあったことが報告されました。
詳細は「個別品目ごとの表示ルール見直し分科会について」を参照してください。残りの22品目については引き続き分科会において検討し、来年度、懇談会に報告予定とされています。
改正の対象と今後について
同懇談会資料「食品表示基準改正について」の中で、「想定される食品表示基準改正の事項(案)」として改正の対象となる条項および別表が整理されていますので、こちらに引用します。
1.栄養強化目的の添加物の表示義務化
第3条第1項
別表第4 「個別の表示ルール(名称、原材料名、添加物、内容量)」
別表第24 「一般用生鮮食品の個別的表示事項」2.栄養素等表示基準値等の改正
別表第9 「栄養成分及び熱量の表示単位、測定法、許容差の範囲及びゼロと表示できる場合の含有量」
別表第10 「栄養素等表示基準値」
別表第12 「栄養成分の補給ができる旨の表示の基準値」3.個別品目ごとの表示ルールの見直し
別表第3 「食品の定義」、 別表第4 「個別の表示ルール(名称、原材料名、添加物、内容量)」
別表第5 「名称の規制」、 別表第19 「追加的な表示事項」
別表第20 「表示の様式」、 別表第22 「表示禁止事項」
今後、本年度内に食品表示基準改正案についてパブリックコメントの実施が予定されています。改正の時期は未定(※)ですが、アレルゲン表示(カシューナッツの義務品目への移行)についても改正が検討されている状況ですので、まずは想定できる対応から整理しておかれるとよいと思います。
※【追記】改正は2025年4月1日予定となりました。現在、改正案の意見募集(2025年1月28日まで)が始まっています。
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