
2025年1月、米国FDAはプラントベース食品(動物由来代替品)の表示に関する事業者向けガイダンス案を発表しました。この機会に、各国プラントベース食品表示に関する動向についてのニュースをまとめてみたいと思います。
米国
冒頭のとおり動物由来代替品のガイダンスが今年1月に発表されました。このガイダンスの範囲は、卵、魚介類、鶏肉、肉、乳製品(植物由来の乳代替品を除く)のプラントベース食品が含まれます。そして乳代替品の表示に関する事業者向けガイダンス案については、2023年2月に発表されたものを参照します。
主な内容としては、個別食品規格のない食品とすること、由来植物名を明記すること(例:soy, lentil, walnut等)、「meat-free」や「dairy-free」のみの表示は適切ではないとする、などの規定により主に名称に関する誤認を防止する内容となっています。そして乳代替品のガイダンスには、「乳と異なる栄養価である(別表との比較)と判断できるよう表示する」「乳よりも含有量が少ない栄養成分の表示を推奨する」など、栄養成分に関する指針が示されています。(乳代替品の栄養成分に関する注意喚起表示の例としては、オーストラリア・ニュージーランドの表示基準(2018年)をあげることができます)
カナダ
2024年10月、卵代替プラントベース食品の表示方法に関するガイダンスが公表されました。文字サイズや用語のほか、写真(農場等)に関する誤認防止規定があります。「鶏卵より30% 脂肪含有量が少ない」等の表示は、栄養比較強調表示の要件を満たすこと、また「卵不使用」などの表示を行う場合はアレルゲン表示の規定への注意を促しています。
フランス、チェコ
2025年1月、フランス国務院は植物由来の製品に「ステーキ」などの表示を禁止するとした政令を廃止することを発表しました。政令は2022年6月、2024年2月に定められましたが、その後2024年10月にEU司法裁判所により同政令の制定に反対する判決が下されたためです。この発表を受けて、「大豆ステーキ」や「野菜ソーセージ」といった表示は今後も可能となります。また同じく2025年1月、チェコ農業省は食肉、水産物、卵およびその製品に関する要件(植物由来製品への「肉」の表示規制、2024年)について、この改正を行わない旨を発表しています。(なお、EUでは乳製品(whey, cream, butter, 等)に関する表示については要件が定められている点に注意)
タイ
2024年7月、タイFDAは植物由来たんぱく質市場への積極的な参入準備を行うと発表しました。同年5月に植物由来の代替たんぱく質製品の表示要件等を定めた草案について意見募集されており、今後検討ののちに関連する基準が公表されるものと思われます。
なお日本では、2021年に「プラントベース食品等の表示に関するQ&A」が公表されており、商品名とは別に「大豆を使用したものです」など誤認を防止する表示が必要とされています。その後2022年に制定された「大豆ミート食品類」の日本農林規格により、「肉を使用していません」等の表示要件が定められています。
プラントベース食品表示は、各国の食品表示基準の動向としてFOP(包装前面表示)とHFSS(high in fat, sugar or salt)規制、PAL(予防的アレルゲン表示)と同じく関心の高いテーマといえますので、今後大きな改正等があればこちらで取り上げたいと思います。
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