あけましておめでとうございます。おかげさまでラベルバンク新聞も9年目となります。
本年もどうぞ、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
さて昨年(2016年)も食品表示に関する様々な出来事がありましたので、こちらにまとめてみたいと思います。日ごろより食品表示の実務に携わる方は、新しい食品表示基準への対応等で忙しくされていると思いますので、こちらが改めて確認できる機会になればと思います。
昨年の主な出来事
2016年 | 3月 | 「食品表示基準について」の一部改正(第4次改正)(製造所固有記号の届出関連) |
機能性表示食品の届出等に関するガイドライン 一部改正 | ||
4月 | 機能性表示食品の届出書作成に当たっての留意事項 一部改正 | |
機能性表示食品の届出書作成に当たっての確認事項 一部改正 | ||
機能性表示食品制度届出データベース 運用開始 | ||
製造所固有記号制度届出データベース 運用開始 | ||
不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律 施行(課徴金制度関連) | ||
食品表示法における酒類の表示のQ&A 一部改正(製造所固有記号関連) | ||
7月 | 健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について 運用開始 | |
8月 | 「食品表示基準について」の一部改正(第5次改正) (業務用加工食品及び業務用添加物の製造所固有記号の取扱い関連) |
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9月 | 生鮮食品の旧基準表示経過措置期間終了 | |
10月 | 特定保健用食品に関する質疑応答集について 公表 | |
11月 | 「食品表示基準について」の一部改正(第6次改正) (安全性審査済みの遺伝子組換え食品の検査方法関連) |
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特別用途食品制度に関する検討会報告書 公表 | ||
加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会中間取りまとめ 公表 | ||
特定保健用食品の表示許可等について 改正 | ||
12月 | 食品のインターネット販売における情報提供の在り方懇談会報告書 公表 | |
「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会中間取りまとめ」に係る説明会の開催 | ||
機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会報告書公表 |
その他、亜塩素酸水の使用に関する改正が「食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について(厚生労働省)」において公表されています(残留農薬基準値設定含め、昨年4月、6月、9月の3回)。また、「食品表示基準について(施行通知)」は昨年だけで3回改正されておりますので、手元の資料が古い場合は最新のものに差し替えておくとよいでしょう。なお、食品表示基準Q&Aについては、一昨年の12月に改正(第2次改正)があって以来、変更はされていません。
今後予定されていること
そして今後予定されている食品表示関連の出来事についても、まとめてみたいと思います。
2017年 | 1月 | 「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会中間取りまとめ」に係る説明会の開催 (2016年12月より引き続き) |
2018年 | 4月 | 機能性表示食品制度見直し目途 (「施行後2年を目途に新制度の施行状況を検討」) |
2020年 | 3月 | 「食品表示基準」の経過措置期間(加工食品、添加物)終了 |
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の使用期間終了 | ||
未定 | 加工食品の原料原産地表示制度の一部改正に伴う食品表示基準、Q&A等の改正 (経過措置期間に関する情報の公表含む) |
昨年、国内の出来事でもっとも影響が大きいと思われるものは、「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会中間取りまとめ」にて、「国内で製造し、又は加工した全ての加工食品を義務表示の対象とする」と公表されたことではないかと思います。こちらの改正については公表後の現在においても各方面から様々な意見が出されているため、今後のパブリックコメントの結果によってQ&A等での記載に少なからず影響があるものと思われますが、引き続き注視が必要なテーマと考えています。
ちなみに、海外でもこうした制度改正は実施されています。EUでは昨年12月に栄養成分表示の改正に関する猶予期間が終了し、中国でも昨年10 月に修正食品安全法実施条例案が公表されています。アメリカでは2018年7月までに、栄養成分表示に添加糖類が必要になるなどの改正がされています。それぞれの国民の関心にあわせて制度が改正されているとすれば、今、日本では原料の原産地に対して関心が高まっていると言えます。そして、なぜ関心が高まっているのかを考えてみることが大切だと思います。
よりよい製品を製造し、より多くの人に食べてもらうためには、その製品の品質を正確に知ってもらうことが必要になります。そのための食品表示でもありますので、こうした制度改正に関する情報も把握しつつ、今、社会が求めていることは何なのかを考えながら、今後もこうした記事を書いていきたいと思います。それでは、今年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。