食品表示は容器包装されているものに必要ですが、同様に、対象となる素材の容器包装を使用の場合は、「識別マーク」いわゆるリサイクルマークの表示が必要になります。「容器包装」とは「容器」(ボトルや缶や袋のように商品を入れるもの)と「包装」(包装紙やラップのように商品を包むもの)であって商品が消費されたり取り出されたあと不要となるものです。
識別マークは資源有効利用促進法により表示が定められており、下記が食品に関わる識別マークとその表示が必要となる容器となります。
識別マーク | 素材/形状 | 用途 |
---|---|---|
プラスチック製容器包装 | 飲料、酒類、特定調味料用のPETボトルを除く | |
紙製容器包装 (飲料、酒類用紙パックでアルミ使用のものを含む) |
飲料、酒類用紙パックでアルミ不使用のもの及び段ボール製容器包装を除く | |
PETボトル | 飲料、酒類、特定調味料用 | |
スチール缶 | 飲料、酒類用 | |
アルミ缶 | 飲料、酒類用 |
識別表示は原則として、分離できる個々の容器包装に対して直接表示する必要があり、「カップ」と「ふた」などから成る、多重容器包装等においては、分離可能なそれぞれをひとつの容器包装とみなしますので、表示対象の容器包装毎に直接識別マークを表示するのが原則となります。
ただし、ほぼ同時に捨てられる複数の容器包装がある場合には、まとめていずれかの容器包装に一括して表示をすることができ、その際、各容器包装の「カップ」、「ふた」などの役割名をその識別マークに併記することが必要となります。
使用されているものが容器包装に該当するかは「容器包装に関する基本的な考え方」の資料が参考となりますので、こちらをご確認いただけますと幸いです。
例えば、飲料パックに添付されているストロー自体は容器包装には該当しないため識別表示は不要ですが、ストローの袋については、ストローが商品の一部と解され、商品を包むものとして識別表示が必要となります。
扱われる商品によって容器包装はさまざまと思われますが、「容器包装の識別表示Q&A」よりよく参照する内容についていくつかご紹介できればと思います。
プラマークに付されている「PP, PE」などの材質表示ついて
(Q76) 材質表示とはどのようなものですか?
<回答>
材質表示とは、プラスチック製容器包装において、使用されているプラスチック等の種類を表す表示のことです。材質表示には、識別表示とは異なり、法的義務はありませんが、望ましいこととされています。(Q77) 材質表示の表記方法について教えてください。
<回答>
プラスチック製容器包装の材質表示は、JIS K 6899-12000(ISO 1043-11997)で定められている記号を用いて行うことを推奨します。また、複合材質及び複合素材については、主要な構成材料を含め、2つ以上を表記し、主要な材料に下線を付すことを推奨します。(後略)
ラベルの識別表示について
(Q16) 容器包装にラベルを付けている場合、ラベル自身の識別表示を入れる必要がありますか?
<回答>
ラベルは、それが付けられている容器包装の一部とみなされますので、ラベルが紙製やプラスチック製であっても、基本的には識別表示は必要ありません。
ただし、下記2つの条件を両方満たしている場合は、ラベルが「包んでいるもの」となるため、ラベルそのものに対する識別表示が必要となります。
- 容器包装の1/2を超える
- ラベルを付けられた容器包装から、ラベルを容易に分離して廃棄することができる
例)ペットボトルに付けられたプラスチック製のラベル、板状チョコレートの胴巻き(アルミ箔の上に巻く紙) 等
業務用の商品について
(Q87) 業務用の容器包装へも識別マークを表示する必要があるのですか?
<回答>
業務用の容器包装へは識別マークは必要ありません。
事業者が専らその事業活動で消費する商品の容器包装については再商品化義務の対象外であり、かつ表示義務の対象外となります。対象外の製品にマークがあることは混乱の元となるため、表示しないようにしてください。
既製品の容器包装を仕入れて使用されている場合などは、すでに識別マークが表示されているものもあると思われます。現在使用されている容器包装の再確認や、これから作成されようとされるパッケージについてご参考となりましたら幸いです。
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