2024年1月31日に「第2回分かりやすい栄養成分表示の取組に関する検討会」( 以下「検討会」)が開催されました。公表された資料等をもとに、第2回検討会の内容について整理してみたいと思います。
包装前面栄養表示とは
諸外国の「容器包装前面栄養表示(Front of Pack Nutrition Labeling:FOPNL)」については、検討会資料「資料2 消費者等を対象とするインタビュー調査結果について」に事例が掲載されています。
ここでは例として、フランス共和国(任意表示)、イタリア共和国の例(任意表示)について取り上げてみます。
- フランス共和国のFOPNL表示では、⾊分けとアルファベットにより⾷品の健康度をランク付けしています。
- イタリア共和国のFOPNL表示では、栄養成分(熱量、脂質、飽和脂肪酸、糖類、⾷塩)の含有量等をGDA方式(栄養成分の⾷品単位当たりの含有量と1⽇当たりの⾷事摂取基準に占める割合)で表示しています。
第2回検討会について
第2回検討会では、国内における⾷品関連事業者の⾃主的な取組、及び消費者等を対象とするインタビュー調査結果等についてまとめられました。
⾷品関連事業者の⾃主的な取組では、栄養成分表⽰のパッケージ前⾯等の表⽰を行うようになった背景や導入するに際しての課題等が、消費者等を対象とするインタビュー調査結果では、消費者が感じる現行の栄養成分表示が分かりにくい理由および分かりやすい表示にするための改善案等の意見(情報量を適切にシンプルにする、消費者自ら判断できるようにする、統一したロゴ/マークにする等)について、それぞれまとめられています。
また委員の意見として、「諸外国における統一的な評価方法を以てすべての食品を区分する取組や一つの栄養成分だけに特化したような取組については、個人の行動の健康状態も多様化が進むために、消費者の適切なインフォームドチョイスを促すような食環境づくりに結び付かない可能性がある」等が挙げられました。
今後の予定について
2024年3月12日に第3回検討会が開催される予定です。第2回検討会の内容を踏まえ、今後、消費者にとって栄養成分表示が利活用しやすく、また食品関連事業者の実行可能性が担保される方策について議論されるものと思いますので、公表された資料に一度目を通しておかれるとよいと思います。
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中西 知奈海
趣味はパン作り。
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