令和6年度 第3回日本版包装前面栄養表示に関する検討会について

By | 2025年2月6日

 2024年12月24日、「令和6年度 第3回日本版包装前面栄養表示に関する検討会」が開催されました。加工食品における栄養成分等の表示実態調査の結果を元に、摂取時の量とのかい離が生じる食品の取扱いについて整理され、日本版包装前面栄養表示の様式案が提示されています。

摂取時の量とのかい離が生じる食品の取扱いについて

 販売時と摂取時の栄養成分等の量にかい離が生じる食品について整理され、どの状態の栄養成分値を表示すべきか意見が出されました。以下は簡単にまとめています(検討内容の詳細はこちらをご参照ください)。

食品群 食品例 検討内容
水で抽出する食品 茶葉、コーヒー豆 調理方法が簡潔であるもの
・「販売時」「摂取時」のどちらか選択可能
・「摂取時」で表示する場合、①調理後の状態である旨が分かる食品単位、②用いる食品の種類やその量が分かるよう調理方法を表示
水で希釈する食品 濃縮ドリンク
水で塩抜きする食品 塩蔵わかめ、塩蔵くらげ
湯切りする食品 カップ焼きそば、生麺
一般的に牛乳を加える食品 ココア等、シリアル
油のみを用いて調理する食品 冷凍フライ、冷凍ピラフ
名称からその用途が明らかなミックス粉 ホットケーキミックス、お好み焼き粉 調理方法が多岐に渡るもの
「販売時」の栄養成分値を表示
調理方法を表示する調味料 一つの食品を追加
パスタソース、炊き込みご飯の素、合わせ調味料
複数の食品を追加
カレールー、合わせ調味料

赤文字は表示実態調査の結果を元に新たに追加されたもの

⽇本版包装前⾯栄養表⽰の様式について

 ⽇本版包装前⾯栄養表⽰の様式案の要件を元に、5つのデザイン案の原型が提示されました。同時に「原型から特定の栄養成分を反転したデザインの様式案」(図1)や、「原型の組合せ及び罫線を加除したデザインの様式案」(図2)も挙げられ、特定の栄養成分についてデザインを変える必要性があるか検討されています。ただし、すべての栄養成分等の量は健康・栄養政策上の優劣はないため、いずれかが過度に強調されることがないよう、⽩⿊反転ではなく、原型を使い分けたデザインにしてはどうか、などの意見が出されています。

図1:原型から特定の栄養成分を反転したデザインの様式案
図2:原型の組合せ及び罫線を加除したデザインの様式案

今後のスケジュールについて

 第4回は2025年1月31日に開催され、ガイドラインの原案が提示されています。栄養素等表示基準値の改正も予定されておりますので、今後の食品表示の動向に注目しておかれることをおすすめします。


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清水 友里恵

栄養学を専門とし、主に国内から海外に輸出される食品の原材料や表示案の調査業務のほか、国内と海外の栄養成分表示の整合性確認業務に従事しています。
趣味はサックス。